USMLE STEP2 CKの直前期と前日をどう過ごしたかを記載する。
USMLEの対策はテストの内容がメインだが、当日にどれだけのパフォーマンスを出せるかも重要になってくる。
なぜなら、一般的な日本人には長文と感じる英文の臨床問題を8時間集中して取り組まなければならないからだ。
そのため、試験内容の対策と当日のパフォーマンスを上げる対策の2本柱が大事になる。
なお、あくまでも私の一例として参考程度になれば幸いである。
- 直前期は試験内容の対策と当日のパフォーマンスを上げる対策の2本柱が大事になる。
- 試験内容対策は弱点強化と復習がメインであった。
- 当日のパフォーマンス向上には、失敗を前提とした事前の演習とシュミレーションによる弱点の把握と対策が大事。
- 適切な長さで深い睡眠の習慣を作り、前日にはぐっすり眠れるようにする。
Contents
試験内容対策
直前1-2週間前には、弱点補強と復習がメインであった。
弱点補強
模試で弱点を把握し、弱点の強化を行った。
なお、直前2週間前までにWORLD1周+間違った問題1周を終えた状態。
1カ月前と2週間前に受けたUSWAの2回の模試から、苦手分野がOBGYN、Psychiatry、Surgery、Medicineの(Immunology, Endocrine, Gastroenterology)だと分かった。
そのため、弱点かつ問題数もあるOBGYN、Psychiatryの補強を行った。Surgery、Medicineをやり直す時間はなかった。
具体的には、UWORLDをリセットしてOBGYN、Psychiatryを再び解き直した。UWORLD1周+間違った問題1周をした後なので、正答率は76.5%であった。
ANKIによる復習
貯まっていたカードを含め、前日迄には全ての復習が終わるように取り組んだ。
私の場合、ANKI 100枚あたり1時間かかる。
そのため、1日のANKIに費やせる時間から枚数の制限を調整した。
試験が近づくにつれて、カード枚数を50, 100, 150, 200, 500, 700, no limitationと徐々に増やしていった。これでお気づきかもしれないが、カードが結構貯まっていたのだ。
ANKIの復習が試験当日でとても役に立ったので、やはりANKIの復習は大事である。
結果として、合計3000超枚のANKIカードの復習していたことになる。
ANKIは素晴らしいが、忙しくなったり怠惰であるとどんどん貯まっていく。それが悩みであった。この時に気づいたのは、上限を設定した毎日の復習と定期的な上限解除した総復習を組み合わせるのが良いと分かった。例えば、平日50枚/30分と設定して、週末に上限解除して貯まっていたカードを復習するという形だ。CSやSTEP3の時はそうするつもりだ。
当日のパフォーマンス対策
試験の内容を強化しつつ、当日のパフォーマンスを上げる対策も並行して行った。
事前検視による失敗と原因の把握
事前検視は、予め失敗を想定してその対策を考える方法である。
今回では、「当日、力を全く発揮できなかった」という予め失敗したと想定することである。さらに大事なのは、「失敗するかもしれない」ではなく「失敗した』と想定することだ。それにより、よりリアリティを持って検証できる。
その上で、「では失敗した原因は何か?」と考える。
<パフォーマンスが低かった原因>
- 本番同様の8時間のテストを経験していない実践不足
- 寝不足
- 不適切なタイムスケジュール
- 不安や焦り
- 集中力を維持するのに適さない食事
- 寒い/暑い衣服や気温
- 騒音
その原因を基に対策を考える。
<集中力を継続させる方法>
- 本番同様の8時間の演習を行い弱点を把握して対策を立てる
- 20-23時には入眠して深くて7時間以上の睡眠を出来るように調整
- 演習に基づいた休憩時間のタイムスケジュールを作成する
- 集中力が継続しやすく食べやすい食品を選んで本番同様の間隔で食べる練習をする
- 快適に過ごしやすく気温の変化に調整可能な衣類の選択
これらの対策を基に本番同様のテストを行いさらに改善させていく。
事前検視による対策を基に本番と同様にテストを行う
本番5日前に、Free120とUworldを合わせて、8時間の演習を行った。
具体的には、前日の過ごし方、当日の食事や休憩、服装、時間等を可能な限り本番と同じになるようにした。
そして、昼過ぎのの睡魔が最大の弱点で、その他に、服装の調整、休憩や食事のとり方にも改善が必要であることが分かった。
振り返ると、もっと早く(2週間前)に本番同様の演習をしていれば良かった。そして、2回くらいやるとさらに良い。
食事対策
食べやすく糖分のある食事を小分けに摂取するのが良い。
お昼にお弁当だけ食べるとかはお勧めしない。
バナナ、ドライフルーツ、クッキー、パン等を小分けにして直ぐに食べられるようにした。1回あたり、大きいクッキーやパンら1つ、小さいクッキーやなアプリコットなら2つ程度。事前に食べるのに必要な時間を計測すると大体1-2分程度であった。
血糖値を持続的に維持するために中~低GI食品(Whole wheat, Whole grain, Fruits)を中心にしたが、High GIとLow GIが試験においてどちらが良いかはまだ結論は出ていない模様。(Elena Philippou, Marios Constantinou. Adv Nutr. 2014 Mar 1;5(2):119-30)
睡眠対策
本番で集中力を維持するには睡眠がとても大切である。なぜなら、睡眠時間の短さは翌日のテストの点数を下げるからだ。(Randazzo,A.C. et al. Sleep. 1998 Dec 15;21(8):861-8.)
本番を想定して、テストの直前期から本番同様の就寝・起床の習慣をつけるお勧めする。当直や業務で忙しくて大変だと思うが、事前に調整して夜の時間を確保できると良い。固定した入眠時間に加えて、1週間前からアメリカではサプリメントで手に入るメラトニン5mg(日本ではロゼレム)を服用した。
さらに、睡眠において大切なのは睡眠時間に加えて睡眠の質である。睡眠の質において、22時から2時に最初の90分でどれだけ深く眠れるかがカギである。深い睡眠は成長ホルモンを多く出して、脳を回復させるからだ。
そして、深く眠るには、深部体温を下げるのが大事だ。具体的には、就寝90分前のお風呂である。お風呂に入ると、深部体温と皮膚体温が上がるが、熱放散で深部体温が急激に下がる。そして、深部温度と皮膚温度の差が2℃未満になると入眠しやすくなる。他にも、深部体温を上げるアルコールを摂取しないこと、深部体温を下げるトマトを夕飯に多く食べるなどである。(西野精治(2017)スタンフォード式最高の睡眠)
睡魔対策
深い睡眠を取ったとしても、私の場合、お昼に眠くなる。眠気に一番有効なのは15-20分のパワーナップ(昼寝)である。椅子に座ったまま昼寝する練習をした。意外と寝れる。
さらに、昼寝前にコーヒーでカフェインを摂取すると、ちょうど目覚めるころにカフェインが効いてきて起きやすい。
ちなみに、本番ではBlock3と4の間に10分程度の昼寝を行った。
昼寝が行えない時の対策は、コーヒーによるカフェイン摂取と冷たい水での洗顔を予定していた。
前日や当日のスケジュール作成
今までの取り組みを踏まえれ、前日や当日をどのように過ごすかの細かいスケジュールを作成する。この時も事前検視のメソッドを利用すると事前に失敗を防ぐことができる。
前日
復習に加え、当日のスケジュールと必要なもの確認を行った。
当日必要なもの
- Scheduling Permission Paper (prometricではなくECFMGから予め送られるもの)
- アルファベット表記と顔写真のあるID (Passport, アメリカの運転免許書等)
- ポケットの少ない服装(毎回の休憩でポケットチェックされるため。アメリカの女性はレギンスが多い。)
- エアコン対策で体温調節の出来るポケットの無い羽織もの(カーディガン、シャツ等。)
- 耳栓 (試験会場の騒音対策ヘッドホンは重いので耳栓がお勧め)
- 食事
- 食べやすく糖分があり休憩毎に摂取しやすいもの。
- バナナ、ミカン、ドライフルーツ、クッキー、パン、おにぎり等。
- 直ぐに食べれるようにZiploc等に入れておくと便利。
- 飲み物
昼以降はカフェイン摂取を控えた。そして、ホテルへの移動を行った。
18時頃にPanera BreadでYou pick twのでトマト・スープ、サラダ、パンを食べた。
20時以降からスマフォを見るのをやめて、入眠90分前の20:30にお風呂に入る。
22時に耳栓をして寝るとすぐに寝られた。
翌朝6時頃にはスッキリ目覚めた。
当日に関しては下記の記事が参考になるかもしれない。
- 直前期は試験内容の対策と当日のパフォーマンスを上げる対策の2本柱が大事になる。
- 試験内容対策は弱点強化と復習がメインであった。
- 当日のパフォーマンス向上には、失敗を前提とした事前の演習とシュミレーションによる弱点の把握と対策が大事。
- 適切な長さで深い睡眠の習慣を作り、前日にはぐっすり眠れるようにする。