てんかん

30日以内に再び痙攣で入院する特徴は?13万人の解析から分かったこと

Readmission after seizure discharge in a nationally representative sample

Leah J. Blank, MD,MPH, JamesA.G. Crispo, PhD, Dylan P. Thibault, MS,Kathryn A. Davis, MD,MS,Brian Litt, MD, and Allison W. Willis, MD, MS

Neurology® 2019;92:e429-e442. doi:10.1212/WNL.0000000000006746

 

Summary

  • 痙攣で退院後,10.8%が 30日以内,21%が90日以内に痙攣で再入院となった.
  •  30日以内の入院に関係する因子として,公的保険,メディケイト,Eixhauser comorbidity index (4+ conditions),1週間以上の入院期間,入院期間中の有害事象が挙げられる.入院理由はてんかんが最多だった.
  • 入院期間中の有害事象を防ぐことで再入院を抑制出来るかもしれない.

 

Methods

 

後ろ向きコホート研究

the US Healthcare Cost and Utilization Project’s 2014 Nationwide Readmissions Database (NRD)を使用

 

PECO

P 痙攣の入院から退院後30日以内に痙攣で再入院した患者

E 再入院あり

C 再入院なし

O Primary 30日以内の再入院,Secondary 90日以内の再入院

 

除外項目:18歳未満,死亡患者

統計:多変量ロジスティック解析でオッズ比を計算

 

Results

 

139,800人が対象となり,15,094人 (10.8%)が 30日以内に再入院,21%が90日以内に再入院となった.

 

患者や病院の特徴

4つ以上の並存症,1週間以上の入院期間,原因としててんかんが最多

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30日以内の入院に関係する因子
公的保険,メディケイト,Eixhauser comorbidity index (4+ conditions),1週間以上の入院期間,入院期間中の有害事象

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並存症や合併症の関係
関連するもの:脳腫瘍,中枢神経系の感染症,アルコール関連

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Conclusion

発作を起こして入院した患者は頻繁に再入院している.再入院患者は複数の合併症がある可能性が高いが,入院中の有害事象もまた再入院と有意に関連していた.最も一般的な再入院の原因はてんかんだった.再入院の原因の一部は調節可能な入院中のケアに関連しているため,避けらるかもしれない.

感想

痙攣で退院しても10%は1ヶ月以内に,20%は3ヶ月以内に再入院しているって思ったより多いですね.特に並存症が多い患者,てんかん患者は要注意.入院中にはなるべく有害事象(何かは不明)を起こさず治療して,地道に再入院を防いでいくことが大切ですね.