てんかん

全身痙攣後のPostictal stateの長さに関わる因子は?

Ohira J, Yoshimura H, Morimoto T, Ariyoshi K, Kohara N,
Factors associated with the duration of the postictal state after a generalized convulsion, Seizure: European Journal of Epilepsy (2019), https://doi.org/10.1016/j.seizure.2019.01.001

Summary

  • 成人の全身性痙攣のPostictal stateの中央値は0.75時間(45分)であった
  • 65歳以上,発症前mRS3以上,痙攣時間30分以上,救急での抗てんかん薬使用がPostictal Stateと相関関係があった.

PECO

P 16歳以上の全身性痙攣患者
E Postictal stateが長い患者
C  Postictal stateが短い患者
O Postictal stateの長さと関わる因子
後ろ向きコホート研究,線形重回帰分析

 

Result

スタディデザイン

16歳以上の全身性痙攣の355名のうち,繰り返す痙攣,非痙攣性てんかん重積,急性症候性発作,フォローできない患者を除いた209名.

患者背景

 

  • 年齢の中央値は42歳. 65歳以上の患者に48名(23.0%).
  •  ベースライン時の中央値のmRSスコアは0だった. 36名(17.2%)が機能的に依存する患者(mRSスコア≧3)
  • 72名(34.4%)が初めての発作だった.
  • 81名 が毎日抗てんかん薬を内服していた(38.8%).18名の再発性発作(8.6%)では内服を自己中断していた. 41名の再発性発作(19.6%)では、初発発作,通院自己中断等の理由で処方されていたなかった.
  • 自己中断していた内服薬はバルプロ酸(11),レベチラセタム(6)、カルバマゼピン(3)、フェニトイン(2)、およびゾニサミド(1).

 

Postictal stateの時間

中央値0.75時間(45分)だった.
10時間以上継続したのが22名いて,16日,48日継続した者もいた.

Postictal Stateの長さに関わった因子

65歳以上,mRS3以上,痙攣時間30分以上,救急での抗てんかん薬使用がPostictal Stateと関係があった.

Conclusion

65歳以上,mRS3以上,痙攣時間30分以上がPostictal Stateと関係があった.ベースラインで脳機能が悪い患者や長い全身性痙攣で障害を受けた患者はPosticatal Stateが長くなった.

感想

意識障害が遷延してPostictal stateか迷う場合があるのですが,上記の因子に当てはまればある程度当てはまりそうですね.逆に,若くて元気で既往歴が無い場合,原因検索に全力を尽くす必要がありますね.