脳神経内科

心肺蘇生後のDWIによる予後予測

Prognostic Value of Brain Diffusion Weighted Imaging After Cardiac Arrest

Ann Neurol. 2009 April ; 65(4): 394–402. doi:10.1002/ana.21632.

縊首後の意識障害の症例でMRIを撮像しました.しかし,発症から数時間に撮像していましたし,どの画像でどう評価すれば分かりませんでした.この文献は蘇生後脳症の予後に関してMRIのADC Mapが有用であることを示しています.どの時期にどうように評価すれば良いか研究されているため,臨床で役に立つのではないでしょうか.

 

Summary

  • DWIのADC valueが有用.
  • ADC値650–700 × 10−6 mm2/sec未満が生存者と死去/植物状態を区別する最も区別する値であった.72時間後の神経学的検査よりも感度が高く,感度81%・特異度100%であった.
  • DWIの評価で最も理想的な時間は心肺停止後の49-108時間の間であった.

PICO

  • Patient
    • 前向きに登録した心停止後の昏睡状態の患者.
    • 心肺蘇生後一週間以内にMRIを撮像された51症例.
  • Intervension
    • 50 × 10−6 mm2/sec intervals以下のdifferent apparent diffusion coefficient (ADC) 値
  • Outcome
    • Group 1: 72時間時に運動反応と瞳孔反射の消失と両皮質反応が消失しているかつ6ヶ月後の死去,または1ヶ月時の植物状態
    • Group 2A: 6ヶ月時に Glasgow outcome scale (GOS) score 4 or 5
    • Group 2B:  6ヶ月時にGOS  3

*Glasgow Outcome Scale

1. dead死亡 2. vegetativestate植物状態  3. severelydisabled身体的・精神的障害のため,日常生活に介助を要する. 4. moderately disabled ある程度の神経学的・知的障害があるが,日常生活を自立してお くることが出来る.  5. goodrecovery後遺症がないかわずかに障害を残すが元の生活に戻れている.

 

Results

 

→平均して3-4日目にMRIを撮像している

→650×10-6のlight greenより明るい黄色から赤色が予後不良の値

→心肺停止2時間後では変化が分からないが53時間後には変化が明瞭になった例

49-108時間の間に取るのが最も有用

→神経学的検査感度47%・特異度100%だが,MRIは感度81%・特異度100%