思い出

2025年を振り返って - 臨床・研究・社会実装、そして生活の変化 -

2025年は、自分にとって本当に多くの変化があり、大きな成長を実感できた一年でした。ご協力頂いだ皆様には心から感謝しています。

専門医資格の取得、9本の論文出版、特許申請、大型研究資金の獲得、日本てんかん学会若手部門の代表就任、学会やピッチイベントでの受賞、そして食事や運動といった生活習慣の変化まで――。振り返ってみると、どの領域でも確かな前進があったと感じています。

臨床

今年は専攻医を修了し、内科専門医を取得することができました。留学などもあり、取得までに想定以上の時間がかかってしまいましたが、無事に取得できて本当に良かったです。
正直なところ、J-Oslerの登録システムの煩雑さには何度も心が折れそうになりましたが、なんとか最後までやり切り、今は大きな安堵感があります。

来年は神経内科専門医、そしててんかん専門医の受験を予定しています。こちらも無事に取得できるよう、着実に準備を進めていきたいと思います。

病棟業務も引き続き担当していますが、研究や社会実装に割く時間が増える中で、正直なところ両立の難しさを感じる場面も増えてきました。そのため、外勤を一つ減らす判断もしました。来年は、臨床との関わり方を含めて、より持続可能な形を模索していく予定です。

研究

研究面では、今年は9本の論文を出版することができました。内訳としては、筆頭著者論文が2本、責任著者論文が1本です。

中でも、てんかん分野のトップジャーナルである Epilepsia に論文を掲載できたことは、大きな達成感がありました。また、自身のメインテーマであるてんかんのポリジェニックリスクスコアに関する論文を形にできたことも、非常に意味のある成果だったと感じています。

東北メディカル・メガバンクを基盤とした研究についても、複数の学会で発表する機会をいただきました。国際抗てんかん連盟アジアオセアニア学術集会、日本てんかん学会などの主要な学会で受賞することができました。今後は、これらの成果をいかに質の高い論文としてまとめ上げ、できる限り良いジャーナルに投稿できるかが勝負だと思っています。

さらに、海外トップ大学との共同研究も進行しており、非常に楽しみです。研究そのものだけでなく、そのネットワークの中に入ること自体の価値を、年々強く実感しています。

日本てんかん学会の若手部門(YES-Japan)の代表にもなりました。YES-Japanは非常に活動的な組織で、世界の中でもリサーチ力は群を抜いています。組織を発展できるように更に改善させていきたいと思います。

来年はいよいよ博士課程の最終年度です。博士課程でありながら研究に割ける時間が限られているのは歯がゆい部分もありますが、それでも良い研究を仕上げる一年にしたいと思います。

社会実装

社会実装の面では、JST みちのくGAPファンド STEP2に採択され、3年間で6,000万円の研究開発資金を獲得することができました。*代表者は異なります。

この資金を活用し、現在は

  • てんかんゲノムプロファイリング検査(プログラム医療機器)

  • 薬剤選択支援AI(非医療機器)
    の開発を進めています。

昨年に引き続き、特許申請も行うことができ、研究と事業化の両輪が少しずつ噛み合ってきた感覚があります。

現在はプロトタイプを作成中で、来年には完成予定です。その後、2027年度の治験実施と薬事承認取得を目標に進めています。PMDAとの全般相談も無事に終え、プロジェクトとして着実に前進している手応えがあります。

また、MedTech Angels、MiTOHOKU、ZEBRA Pitch など、複数のピッチイベントで受賞できたことも大きな励みになりました。来年も引き続き、積極的に挑戦していきたいと思います。

さらに、バークレー大学やスタンフォード大学での研修は非常に刺激的な経験でした。将来的なアメリカ進出も視野に入れている中で、貴重なコネクションを得られたことは大きな財産です。

プライベート

プライベートでも、今年は大きな変化がありました。
GLUT1欠損症の患者さんと出会ったことをきっかけに、ケトン食の持つ力、そして自分自身の脳と栄養に対する理解の浅さを痛感しました。一方で、ケトン食を長期に継続する難しさも実感し、現在はより現実的で持続可能な新しい栄養療法の開発を模索しています。

質の高い食事を意識するようになってから、気分の安定や生産性の向上を明確に感じるようになりました。短期的な変化だけでなく、長期的にもパフォーマンスを維持できる手応えがあります。

その流れで、お酒をやめる決断もしました。5か月が経ちましたが、「やめて本当に良かった」と心から思っています。二日酔いがなくなり、出費も減り、時間の使い方にも余裕が生まれました。たまに飲みたくなることはありますが、お茶や炭酸水で十分楽しめています。

また、ジムでBodyPumpという全身ワークアウトを始めたのも新しい発見でした。運動が心身に与える影響の大きさを改めて実感しており、今後も継続していきたいと思います。

英語学習でも、Versantの受験と特訓を行い、46点→54点→61点と挙げることができました。61点は、日本の受験生内でもトップ5%くらいです。この特訓の中で、自分の興味のある領域のPodcastの多聴がとても自分にフィットして、リスニングのみならずスピーキングの向上にもつながりました。今も毎日、1時間以上は聴いています。英語、科学、医学を同時に学べて非常におすすめです。

年に一度の海外旅行では、バリ島を訪れることができました。独特な文化と美しい自然に触れ、心身ともにリフレッシュする貴重な時間となりました。

まとめ

臨床、研究、社会実装、そしてプライベート――すべての面で大きな進展を感じられた一年でした。多くの方々のご協力があってこそであり、心から感謝しています。

来年は、これまでに積み上げてきたものをさらに発展させ、次のステージにつなげる一年にしたいと思います。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。