小児・青年てんかん患者と介護者のQoLに関連する因子
Quality of life and correlating factors in children, adolescents with epilepsy, and their caregivers: A cross-sectional multicenter study from Germany
Janna R .et al Seizure Vol 69, July 2019, 92-98
患者のQoLを下げている要因は何なのか?
やはりてんかん発作とてんかんに伴う合併症が大きく関係しているようです。
Contents
目的
ドイツでの小児てんかん患者の低いQOLと関連する因子と介護者の低いQOLと鬱症状に関連する因子の同定
方法
- 他施設横断研究でドイツの代表的な二つの州で施行
- 差異分析,線形回帰, 2変量解析
結果
- 489人の子供と青年 (平均年齢10.4+-4.2歳,男性54%)
患者の低いQOLと関連する因子
- Seizure Freedomでは無い (p=0.004)
- 合併症 (p=0.007)
- 機能不全 (p=0.003)
- 最近の痙攣重積歴 (p=0.035)
- 入院 (p=0.049)
- 介護施設に住んでいる (p=0.049)
患者のQoLに関係が無かった因子
(関係があると思われていたが)
- 患者の年齢・性別
- 罹患期間
- 病態生理
- 家族の状況
- health care sectorへの加入
介護者の低いQOLに関連する因子
- 病気の罹患期間の長さ (p=0.004)
- 部分発作 (p=0.003)
- 痙攣の継続 (p=0.003)
- 合併症 (p=0.003)
- 相対的な機能不全 (p=0.003)
- 痙攣重積 (p=0.003)
- 介護者が職についていない (p=0.010)
介護者の鬱症状に関連する因子
- 部分発作 (p=0.003)
- 痙攣の継続 (p=0.007)
- 合併症 (p=0.003)
- 痙攣重積 (p=0.004)
- 相対的な機能不全 (p=0.004)
結論
てんかんはQoLと鬱症状に大きな影響を与える.
痙攣の回数減少と痙攣重積の予防のために早期の効果的な治療が大切である.