Neurology® 2019;92:e1-e10. doi:10.1212/WNL.0000000000006689
Summary
- 集中治療室での持続脳波モニタリング(cEEG)は入院中の死亡率を下げた.内訳として,くも膜下出血,脳出血,意識変化患者の死亡率を下げたが,痙攣やてんかん重積において死亡率は変わらなかった.
- 持続脳波モニタリングは入院期間を延ばし入院費用を上げた.
PECO
後ろ向き横断研究
P 2004年から2013年に集中治療室に治療を受けた成人
E 持続脳波モニタリング使用
C 持続脳波モニタリング使用なし
O 入院中死亡率,入院費用,入院期間
Result
NISに登録された挿管患者で,てんかんユニット入院患者(elective admission),18歳未満,心停止,退院時のcEEG測定を除外した22728名(cEEG)と7079671名(non cEEG)
cEEG使用が2004年から2013年にかけて10倍以上増加した
cEEGを使用した患者背景は若く,収入が多く,メディケイト,個人健康保険加入,緩和ケアのコンサルテーションを受けている患者が多かった.
cEEGは北東部,中西部の病院や,大病院,都会の教育病院で施行されていることが多い
cEEGは入院中の死亡率を下げた.内訳として,くも膜下出血,脳出血,意識変化患者の死亡率を下げたが,痙攣やてんかん重積において死亡率は変わらなかった.cEEGは入院期間を延ばし入院費用を上げた.
Conclusions
cEEGの使用は2004年から2013年で10倍以上に増えたが,まだあまり使用されていないのかもしれない.cEEGは入院中の死亡率を下げたが,集中治療患者の0.3%にしか使われていない.我々の発見は診断において様々な利益を示し,集中治療患者のcEEG使用を支持するが,より多くの臨床における詳細な調査が望まれる.
臨床への応用・感想
cEEGは脳卒中患者では死亡率が低下したとのことだが,脳波の変化をどのように解釈して死亡率低下につなげたかが知りたかった.大病院で施行されており,入院期間を延ばし入院費用を上げたことから,導入にはきちんとしたシステム作りが必要だろう.